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京都の危機

8月6日に門川京都市長から発表れました、京都市の財政危機。
「京都市がこのままでは、10年以内に財政が破綻する」と言った突然の発表でした。
京都の抱える課題について、簡単にまとめてみました。


京都市の財政は
 今年度で、実質的な借金残高は8,500億円に上り、財政破綻の危機に直面。
 将来見込まれる借金などの負担比重を示す将来負担率は、政令指定都市でワースト。
 収支悪化の要因は、コロナ禍での観光業客の激減による観光収入の大幅な落ち込み、特に市バス・地下鉄運営に大きく影響していると発表されています。
 今後、5年間で1,600億円の収支改善策で提示されているものの、毎年320億円もの収支改善は可能なのか。。。


収支悪化の要因は
 先に述べました、コロナ禍による観光業収入の落ち込み、市バス・地下鉄運営等への財政負担の増大があげられますが、地域性規模からみても税収入が低すぎるのではないかと思うところが有ります。
 確かに、法人税的には本社拠点を持つ大規模企業は数多くあるものの、住民税の観点から観ると大学生が多い街であり、住民税納付者割合は約44%であるということ、また、固定資産税の観点では、神社仏閣が多く、景観保護の高さ規制の観点から高層マンションの建設は不可であり、それぞれの税収が増やしにくい体質であると言う事が言えると思います。
 いずれにしても、観光業収入に依存してきた体質のツケが表面化したもののと思われます。


過去の財政破綻
 過去2007年に、全国唯一「財政再生団体」に転落したのは、北海道夕張市であり、夕張市では公共施設の相次ぐ閉鎖、市民税や下水道料金の値上げ、家庭ごみ収集の有料化など講じられ、市民の数は約11万人から7,000人ほどに激減したことがありました。


京都のホテルも危機
 訪日外国人客(インバウンド)の減少と観光客減少のあおりを受け、京都市内のホテルも利用者の激減による大幅な売上減から、存続・経営の危機を迎えています。
 大手京都ホテルもコロナ禍の影響を受け、4〜6月期単体決算で3億円の赤字を発表し、別荘の粟田山荘の売却や日本政策投資銀行ファンドを通じて10億円の資本増強を行うなどの施策を講じています。


これからどうなる京都市
 基金の取り崩しでの凌ぎになるのでしょうが、コロナ禍の終息での観光客増加だけでは、5年間で1,600億円の収支改善が叶うのは困難であり、様々な聖域なく不断の見直しによる行財政改革策が講じられていくと考えられます。
 既に、職員数の削減や、給与カット、数々の市民サービスの見直し案が提示されています。
 懸念される点は、高齢者サービスや子育て世代へのサービスの見直しが優先されていくことです。
 往々にして福祉サービスを削っての歳出改善が優先して進められていくことが多い状況の中で、大型事業の見直しや都市開発計画の見直しなど実行と合わせ、多面的な収入源の確保に向けた、総合的に市民が納得していける改善策の実行を見守り、「伝統と文化のまち京都」の復興を期待してます。