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岸田首相施政方針演説を聞いて

1月23日、第211通常国会の開会に先立ち、岸田首相の所信の一端が方針演説として述べられました。
今日は、その所信の一部にはなりますが、私の思うところを記させて頂きます。

施政方針演説とは
 そもそも、施政方針演説とは、国の政治を司る代表者が国民に対して今後の国(国政)の方向性や動向を示すものであり、本来、その演説によって、国民にこれからの国づくりや生活環境の整備について、安心と希望と期待を持たせるために行うものでありますが、昨今の施政演説は首相自らの思いは伝えているものの、それは国民に対してではなく、同僚の国会議員に対して自らがやりたいことの理解を求めている様に見えてなりません。
 誰のために政治を行っているのかを、今一度見直すべきです。

歴史の転換点
 冒頭、明治維新と大東亜戦争を挙げ、歴史の転換を重点項として取り上げられましたが、新時代の国づくりと安定した国際秩序づくりを進めたいという割に、述べられていることは今までと何ら変わりないのではと思う内容でした。
 歴史を変えることは不可能であり、真の歴史を認識しながら(学びながら)、現状、日本が置かれている立場と状況を正しく国民に伝え、これから進むべき日本の姿を現すべきでしょう。
明治維新も大東亜戦争も、これまでの日本にとって一つの転換期であったのには違いありません。
だからこそ、いま何によってその転換期なのかをはっきりと示すべきです。

防衛力の強化
 国家安全保障戦略の策定を含めた防衛力の強化について、5年間で43兆円の予算確保と言っておられます。
昨今の日本を取り巻く安全上の危険度は向上していると認識しています。
だからと言って、財政難のこれからの時期に43兆円もの防衛費予算を増額して、国を守るという説明では国民は納得できません。ましてや、その増額予算は「増税」によるもののと言われればなおさらであります。
岸田首相が述べる防衛力の強化の目玉は、積極的な外交の展開だそうです。
歴史的背景や現状の国家交流を鑑みれば、やみくもに外交を強化しても国の安全は保障できません。
岸田首相が言っておられる様、これまで世界一周の外交をされた様ですが、正確な的を得た外交展開をしなければ費用だけが嵩むことです。というより、本来、外交は外務大臣のお仕事です。
5月の広島G7首脳サミットも控えてますが、開催することが大事ではなく、どの様な話し合いを以て日本の立場を堅持する成功を導くのか手腕を問われます。
 世界は想像を超える武力保持の進展が見られます。
 増税在りきではなく、実情を把握した日本も時代に乗り遅れないような防衛の強化策を求めたいです。

新しい資本主義
 新たな経済モデルの構築の一つに賃上げを述べられています。
 G7やG20の中での労働者賃金の推移を見ても、日本だけが賃金アップの傾向が鈍化しています。
これを政治の力で上げようとしても、賃金を支払うの企業ですからなかなか思うようになりません。
また、賃上げが出来ても物価が高騰すれば可処分所得アップは図られず、家計においては現状と同じような状態が続くこととなります。
為替動向、輸出入の動向、物価傾向、エネルギー資源動向、企業動向、国民の生活実態など、総合的に観察を続け、
点(ポイント)での政策強化ではなく、面(広義)の強力な政策実行が求められます。

少子化対応
 急速する少子化の進展に歯止めをかけようと、子育て・子どもファースト社会の充実といった、耳障りの良いキーワードを述べておられますが、そもそも少子化ななった要因は何なのか。少子化社会を打破するのはこの要因の認識から始めるべきです。
 昨今、不妊治療で悩んで苦労されている方々がどれほど居られるのか?、何故、不妊で悩まれる方が増えてきたのか?その要因として考えられるのは何なのか?過去のベビーブームであった時代と何が違うのかなど、しっかりと解析をした上で策を講じる必要を感じます。
医学的に解析されない様な要因(因果関係)が有る様に思えてなりません。


新型コロナ
 このキーワードのテーマを掲げられている時点でダメだと思います。
 言うならば、新型コロナやインフルエンザ、今後新たに出てくるかも知れない新種、鳥(豚)インフルエンザ等の「ウイルス感染症対策」の方針を示すべきです。
 政府は、新型コロナの扱いを4月から2種から5種へ切り替えようと考えていますが、何も変わっていない現状の中で、規制の緩和を行うのは危険すぎます。現状の水際対応も同様の事が言えます。
 各種ウイルスというもの、ウイルスの発生、ウイルスの感染、ウイルスの怖さなどをしっかりと国民に示し、それに対する投薬、ワクチンなどの対処療法についても、安全面を十分配慮したなかで、国民に理解を求めたうえでの行動が取れる世の中を構築して欲しいものです。

ほか、数点のテーマでの方針が述べられていますがコメントは割愛します。