3月16日に発生した、宮城・福島での地震の影響を受け、東京電力管内での電力需給が極めて厳しい状況となっています。
21日に政府が発表した、電力需給逼迫警報は現在解除された状態となっていますが、未だ予断を許さない事態が続いています。
今日は、過去に発令されていない「電力需給逼迫警報」について、記したいと思います。
その原因は
今回の電力需給が逼迫した原因は、16日に発生した「宮城・福島地震」により、東京電力・福島電力管内で火力発電基が12基停止した影響を受けるものです。
地震影響の教訓は
平成23年に発生した、東日本大震災時にも原子力発電所の運転停止の影響を受けた「電力需給の逼迫」に関する対応を求められましたが、今回の状況を見ても、前回の教訓➀原子力発電に依存しない電力供給の確保、②事故発生時の電力需給のリカバリー、③電力供給に関するタイムリーな情報発信など、どれを見ても3.11の教訓が生かされず後手に回る現状が露わになっています。
「電力需給逼迫警報」の発令
今回の警報発令は、政府の自主判断ではなく、経産省や東電の記者会見時に記者に問われて初めて『警報』の言葉を用いたという、何とも政府としての不甲斐ない始末で有ります。
ロシアのウクライナ侵略の影響も
ロシア軍によるウクライナへの侵略は、燃料となる原油や液化天然ガスの価格高騰も一つの影響として表れています。
こうした事態が長く続けば、日本経済のエンジンや生活の礎となる動力稼働に大きな被害をもたらす事態が想定されます。
他の電力管内は
原発が停止し、慢性的な供給不足に陥っている東京電力などとは違い、近畿を中心とする関西電力管内は現在、原発2基が稼働しており、一定の余力があるようです。
(供給予備率)
電力供給の見通しを示す数値。
安定した供給を示す予備率は3%以上と決められており、関電管内での供給予備率は、7月に5%、8月に4.8%と想定されています。
今後の対応は
平成23年の3.11東日本大震災や今回の大型地震など、今後起こりうる大規模自然災害の発生や、テロ、事故に備え、有事の電力確保に向けた対応は急務となります。
原発再稼働へは高いハードルがあり、その代替エネルギーの確保は後手に回るなど、日本のエネルギー構造の脆弱さが続くようであれば、経済の低迷どころか私たちの日常の生活が脅かされます。
他人事ではありません
今回は、東日本での地震の影響を受けての事態でありますが、いつ何時、自分の住まいの地域がそのした事態になるかわかりません。
万一の事態の発生時に、先ずは毎日の生活を確保出来るように、全ての点においての備えをしていきましょう。